【旅館ホテルのおもてなし】スタッフの仕事5 大谷 晃氏


 チェックアウト前の点検

 朝食では、配膳、下膳(食べ終わった食器を下げる)を行います。終えたら、チェックアウトの準備をします。お忘れ物がないかお部屋の中をくまなくチェックし、冷蔵庫の中の飲み物を確認します。お客さまをお見送りすると、次のお客さまをお迎えするために部屋を掃除し、備品の補充をします。

 忘れ物があった場合は、フロント係が管理します。

 お客さまから部屋に忘れ物をしたと言われた場合、お客さまの動線に沿って探します。トイレ、風呂場、食事処、バイキング会場、棚の上や中など。死角がある場所は特に注意を払います。いつもとは視点を変えることが大事です。畳の部屋では、お客さまは寝る、座る、立つという3通りの行動をされます。それぞれの高さの目線で追っていくことが大事です。

 ●調理場

 旅館ホテルの大きさによって、規模は異なります。大きなところでは、作業は分担して行われます。効率化を図るためです。一般的な呼び名は、下働きをするのは「追い回し」、洗い物の担当は「洗い方」、焼き物の担当は「焼き方」、揚げ物の担当は「揚げ方」(油場)、煮物の担当は「煮方」、吸い物の担当は「吸い方」。二番手の立場を「脇板(立板)」、調理の総責任者を「料理長(板長)」と呼び、区別しています。

 小さな家族経営のようなところでは、調理から盛り付けまで、1人が何役もこなしながら作業を進めます。

 お客さまに料理をお出しする時は、サービスを担当する仲居と、料理を担当する料理人との連携が大事なポイントとなります。また、お客さまによって食事の進み具合が違うような場合、スムーズに料理が出せるように仲居が調理場に伝え、コントロールします。

 ●支配人

 女将に次ぐポジションにいるのが支配人です。多くは経験豊かなベテランで、リーダーシップのある人が選ばれます。女将がいない時、業務の代行や各種会合などに代理出席をします。

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 ■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。


       

 
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