近年はどの業界も人手不足で、旅館ホテルも例外ではありません。中にはロボットを導入しているところも出てきています。ロボットはAI(人工知能)の技術を搭載して優秀ですが、人の心の琴線に触れるような「感動」までは、お客さまにもたらしてはくれません。感動は、人だからこそ可能なことです。お客さまの心を読み、サービスを重ねていく。旅館ホテルはそのような、人にしかできないおもてなしの場です。これだけはいかにロボットの性能が進歩しても、人間にはかないません。
それだけにご予約からお見送りまで、すべての場面において、人間でなければできない、的確で心のこもった応対が求められます。 フロント係、客室係に関わらず、お客さまが来館されたら役立つであろう情報は共有しておきましょう。その情報はお客さまとの会話の中で必要に応じてお伝えします。桜や紅葉などの見頃情報、お勧めの観光スポット、そこまでに要する時間、道路の混み具合、天候、気温、着る物や履き物など、現地にいるからこそわかる最新情報ですから、お客さまは喜ばれます。
では、実際の仕事内容について見ていきましょう。
●ご予約
希望にかなう旅館ホテルをどうやって見つけ、予約されるのでしょうか。それには大きく分けて2通りあります。旅行代理店を利用する方法とウェブサイトなどで調べて旅館ホテルに予約する方法です。宴会に関しては、予約の際に宴会担当者が幹事と打ち合わせをします。例えば、還暦を祝う会などでは、出席者の最終確認、特別料理やお酒、ケーキや花束の手配、進行スケジュールの調整など。宴会担当者は幹事に役立つアドバイスを行います。
■旅行代理店を通して
旅行代理店は、旅行会社が主催するパッケージツアーの販売の他、お客さまのご要望に沿った旅行プランを立てたり、旅館ホテルなどに対してきめ細かな手配をします。お客さまは自ら電話やウェブサイトで予約する必要がなく、安心して現地を訪れることができます。
旅行代理店では、お客さまや添乗員などのアンケートや旅行代理店の担当者の宿泊体験を通じて、旅館ホテルの評判や客観的な最新情報を共有化してお客さまに最適な宿を提供しています。
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■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献 することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。