●チェックイン(宿泊手続き)
チェックインとは宿泊の手続きをすることだけではありません。快適なご滞在のスタートを切っていただく場でもあります。限られた時間の中で迅速かつ丁寧に行うのはもちろんですが、その際、感じが良く、わかりやすく、親しみやすい応対を心がけます。「いらっしゃいませ」で終わるのではなく、「遠いところをお越しいただきありがとうございます」と一言添えるだけで、印象はずっと良いものになります。
やってはいけないのが、お客さまに対していきなり「どちらさまですか」とお尋ねすることです。必ず、「恐れ入りますが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」とお聞きします。
●お部屋へのご案内
ここからはお部屋係の仲居が担当します。
お部屋にご案内する途中での館内に関する説明は、お客さまの歩調に合わせ、理解していただけているかを確認しながら行います。非常口の場所も必ず説明します。また、エレベーターを待っている間などに、「今日はいい天気になりましたね。道路は混みませんでしたか?」などと、親しみのあるお声がけをしましょう。そうすることでお客さまの緊張がやわらぎ、ご希望やご要望を言っていただきやすくなります。
なお、エレベーターは仲居が扉を押え、「どうぞ」と声をかけ、お客さまを先に中にご案内し、自分は最後に乗ります。降りる時は、仲居が「開」のボタンを押してお客さまが出終わるのを待ち、最後に自分が降ります。
●お部屋の操作説明
お部屋にある冷暖房の温度調整、お湯の調整、照明のスイッチ、テレビや有料テレビの使用方法、電話のかけ方、冷蔵庫の精算方法、金庫の使い方を説明します。
●お部屋でのご案内
お客さまとコミュニケーションをとる機会が最も多い場面です。入室した瞬間から、それは始まっています。
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■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。