神社、お寺への参拝の仕方
神社に続く参道では、神様がお通りになる真ん中を避け、端を歩きます。最初に水の張ってある所(手水舎(ちょうずや))で、そこに並んでいる柄の付いた物(柄杓(ひしゃく))で水をくみ、手と口を清めます。この時、柄杓に口をつけてはいけません。お礼として捧げるお金(さい銭)を入れ、鈴を鳴らしてから、「二拝二拍手一拝」をします。2回頭を下げ、次に2回手を打ち、最後に一礼。なおさい銭の金額に決まりはありません。
お寺へ参拝する時も、道の端を歩きます。鐘は許可がなければつかないようにしましょう。さい銭を納め、鈴などの鳴らし物があれば鳴らします。そのあと胸の前で手を合わせて合掌し、一礼します。手を打たない(拍手をしない)ことが神社への参拝と異なります。
ごあいさつ
お部屋へのご案内中、打ち解けた雰囲気になっていたとしても、お部屋にお通ししたら、改めてきちんとごあいさつをします。こうしてお客さまへの敬意を表します。リピーターのお客さまには、最初に、「いつもご利用いただきまして、ありがとうございます」と一言添えましょう。お客さまとは近い距離で接しますから、口臭や体臭には注意し、息づかいまで気を配りましょう。
お部屋にご案内したらすぐに、その場で淹(い)れた日本茶とお菓子をお出しします。この時、お客さまが「このお茶、おいしい」とおっしゃってくださった場合、「実はこの地方でとれた日本茶です」などと一言付け加えましょう。それによって、「お土産に買って帰ろうかな」「どこに売ってるの?」と会話が進み、結果、売り上げにもつながります。
またお客さまとの間では、政治や宗教の話は控えます。知ったかぶりもしないこと。細かなことは口頭ではなく書いて説明しましょう。なお、守秘義務がありますから、お客さまに関して見聞きしたことはけっして外部に漏らしてはいけません。
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■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。