●バイキング(ビュッフェ)
旅館ホテルの夕食や朝食でバイキング形式の場合、コースと同じ要領でいただくのが基本です。何度も取りに行くのが面倒だからと皿に一度に取る方がいますが、これはマナーに反しています。前菜に当たるものから少しずつ取り、食べ終えてから次のお料理を取りに行きます。また、熱いものと冷たいものを同じ皿に盛らないようにします。
●お夜食
夜、お腹が少し空いた時など、お客さまが食事を望まれることがあります。この場合、「調理人がいないので作れません」ではなくて、「おむすびかお茶漬けならご用意できます」など、できる範囲の提案をしましょう。
なにごとにつけても旅館ホテルの都合だけで考えてはいけないということです。お客さまはこちら側の都合通りには行動されません。遅い時間に食事を希望するお客さまもいらっしゃいます。「〇〇はできませんが、〇〇ならご用意できます。いかがですか」と、一つがだめなら、別の提案をするのがプロです。
●宴会の精算
トラブルが発生しがちなのが宴会です。「予算の範囲内でやってくれ」とお客さまが言われても、その通りにはいかないのが常です。お酒の追加を望まれた場合は幹事に、「ご予算を超えてしまいますが、いかがいたしましょうか」とお尋ねして返事を待ち、追加の了承をとることが大事です。
特に精算でのトラブルを避けるためにも、事前にメニューをお渡しして、精算金額は宴会の終わりに幹事に提示し、確認してもらいます。同時に、チェックアウト時に領収書をすぐにお渡しできるように、この時点で宛名を伺っておきます。
●心付け
部屋を担当する仲居にお客さまが心付けを手渡すことがあります。いったんはお断りをし、どうしてもという場合には、いただいてから女将か上司に報告します。心付けは個人が受け取る場合もあれば、雑収入にすることもあります。
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■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。