●チェックアウト(退室手続き)
チェックアウトの際に聞かれることは多くあります。最寄りの駅、そこまでの所要時間、タクシーやお送りするバス、天候、道路事情、観光スポットなど。あらかじめ情報を仕入れて準備しておきます。また、領収書の発行には時間がかかります。事前にお名前の振り分けを伺っておくとスムーズに発行できます。
●お見送り
「お迎え上手の送り下手」という言葉があります。これはお迎えは厚くもてなすが、お帰りはそっけない態度で送る、という旅館ホテルに対する戒めをいったものです。
お客さまからおほめの言葉をいただいたり、反対にクレームの多いのも帰り際です。お帰りの時こそ、次にまた来ていただけるように、心を込めてお見送りしましょう。できるだけ大人数で明るく行います。その際、お客さまのお姿が見えなくなるまでしっかりと手を振ります。この間、けっしてスタッフ同士でおしゃべりしたり、ふざけあったりしてはいけません。お客さまは本当によく見ています。
●敬語で”おもてなし”
敬語は使ってこそ身につくものですが、近年、若い人たちは敬語になじみがありません。コミュニケーションはメールやLINEで、しかもその相手の多くが同世代です。目上の人と会話する機会が少ないため、敬語の使い方を知りません。しかし、サービス業は敬語が基本です。敬語もまた、おもてなしの一つの形です。
・いらっしゃいませ
・おはようございます
・ありがとうございます
・かしこまりました
・申し訳ございません
・恐れいります
・少々お待ちくださいませ
・失礼いたしました
接客用語は基本中の基本ですから、状況に沿ってすぐに言えるように身に付けましょう。その場合、心を込めて伝えることが大切です。なお、お客さまのお話に対しては、返事をするタイミングも大事です。一瞬間を置くようでは、お客さまのお気持ちもそこで途切れてしまいます。お話とつながるような返事をしましょう。
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■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。