陽明門4年ぶり公開
今、観光エリアとして栃木県「日光・鬼怒川」に注目が集まっている。3月10日に世界遺産・日光東照宮の陽明門が4年ぶりに一般公開され、8月10日には東武鬼怒川線にSLの運転が始まるなど、話題が豊富だ。これまで以上に魅力が高まった日光・鬼怒川にスポットを当て紹介する。
鬼怒川沿いに温泉旅館
日光エリアの観光スポットと言えば、まずは世界遺産「日光の社寺」。日光東照宮、日光山輪王寺、日光二荒山神社に属する103棟の建築物群とこれらを取り巻く「遺跡(文化的景観)」だ。
今年一番の注目は、3月10日に修理を終え、鮮やかに蘇った日光東照宮の国宝「陽明門」。江戸時代初期の彫刻、錺(かざり)金具、彩色といった工芸・装飾技術のすべてが集約されている。
奥日光の自然も見どころの一つ。中禅寺湖は、海抜1269メートルの日本一の高さを誇る湖で、春のヤシオツツジ、秋の紅葉が特に見事だ。
中禅寺湖の流出口にある高さ97メートルの大瀑布、華厳ノ滝は、日本三大名瀑布の一つだ。
鬼怒川エリアでの観光地の代表が鬼怒川温泉。江戸時代に発見され、かつては日光詣の諸大名や僧侶だけが入ることを許された。鬼怒川沿いには旅館が建ち並ぶ。
鬼怒川公園裏手にあるのが公共の温泉施設「鬼怒川公園岩風呂」。内湯と庭園風の露天風呂があり、ゆったりと浸かれる。
周辺には「東武ワールドスクウェア」や「EDO WONDERLAND 日光江戸村」といったテーマパークもあり、楽しめる。
鬼怒川温泉
陽明門
鬼怒川公園岩風呂
首都圏に情報を発信~誘客事業
日光市への観光客は首都圏在住者が大半を占めている。市では、首都圏に向けて効果的な情報発信が行えるよう日光市観光情報発信センターを東京都内に開設し、観光情報の発信や観光施策に有効となる情報の収集(マーケティング)を行っている。
首都圏から鉄道利用、車利用とも片道2時間程度とアクセスが良い半面、観光客は日帰り観光が多い。日光市は温泉地でもあるため、市では宿泊旅行を喚起できるように各種プロモーションを行っている。
日光市を訪れる訪日外国人旅行者は、国別に見ると台湾が最も多く、以下、タイ、中国、香港と続き、アジア圏が多くを占める。しかし、日本全体の訪日外国人旅行者の国別割合に比べると、欧米豪地域の割合が高いことが特徴だ。日光市では、国立公園満喫プロジェクトに選定された経緯も含め、海外プロモーションについてはアジア圏だけでなく欧米豪にも展開していく方針だ。
一方、地元の観光事業者も独自に海外へのセールスをしたり、市内で外国人旅行者を対象としたおもてなしイベントを開くなど、誘客に積極的に取り組んでいる。
中禅寺湖
華厳の滝