2023年4月、国連経済社会局(UNDESA)は「今月中にインドの人口が14億2577万人に達し、中国を抜き世界一になるだろう」と発表した。インドでは特に若年人口が多いため、労働力が豊富で、それが経済成長のエンジンとなる好循環が続いている。経済成長に伴い海外旅行に行ける中間層も増加すると考えられるため、訪日客の誘致においてもインドは注目に値する市場だ。
インド人の旅行意欲は非常に強く、新型コロナウイルス感染症が沈静化した2022年春ごろには海外旅行が本格的に再開していた。2023年5月の国際線利用者数(デリー・ムンバイの合計)は既にコロナ前を4・8%上回り、国内線利用者数(同)にいたってはコロナ前を16・8%上回るなど人の移動はコロナ前より活発になっている。
日印間に目を向けてみると、2022年は日印国交樹立70周年という記念すべき年であり、本来はインドにおいて日本への関心が高まり、訪日観光客の増加が期待できるはずであった。しかし、コロナ禍の影響で人的移動が制限されたため、2022年度のインドからの訪日客数はコロナ前の2019年と比べて69・1%減の5万4314人にとどまった。
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