【日本茶インストラクターが勧める 素敵なお茶生活 17】お茶教室は出会いの場です1 繁田聡子


 2001年に、日本茶インストラクター1期生の繁田和則氏が立ち上げた「お茶の達人道場」を引き継いで17年たちます。6回コースの基礎クラスが中心です。半年にわたって、お茶の栽培・製造・歴史・効能などをお伝えし、新茶、玉露、釜炒り製玉緑茶、蔵出し茶、季節限定茶などそれぞれに適した淹(い)れ方を実習していただきます。また、お茶に合うように吟味したお菓子も添えます。和菓子だけとは限りませんが、和菓子の持つ季節感には学ぶことが多く、弊店の「季節限定茶」考案のきっかけともなりました。

 最初の回では自己紹介も兼ねて、受講の動機と目的をお話しいただきます。

 1クラスの人数は多くても8名ぐらいですから、時間はそうはかかりません。基本的なレッスンプランを立ててはいても、それぞれの方の要望を把握することで、できる限りそれにお応えすべく、各回の内容を微調整するためです。時間は1分で。各自用の茶道具がのっているお盆の砂時計を見ながら、どうぞとお願いします。

 1分という、これから大切になる時間を把握していただく狙いもあります。400字詰め原稿用紙1枚分をゆっくり読むと約1分。的確、簡潔に話すには十分で、しかも聞く立場としてもちょうどいい時間。上級煎茶をおいしく淹れるための浸出時間が基本、1分。中には話に夢中になり、3分を過ぎる方も。特に制止はせず、「玉露を淹れる時間でしたね」と応じます。

 基本的な理解が進むと、「お茶の種類あてクイズ」を楽しみ(?)ます。

 煎茶、深蒸し煎茶、玉露、粉茶、茎茶、芽茶、玉緑茶、焙じ茶などを小型の拝見盆に並べます。拝見盆とは、ブリキ製の黒い角盆で、茶の形状と色沢を審査するのに使います。

 外観、香りから判断し、テキストやプリント類は見ずに解答欄に記入してもらいます。

 「試験ではありませんよ。リラックスしてどうぞ」とお伝えしても、皆さんそれは真剣なまなざしです。まさに「百聞は一見に如かず」を実感されている様子です。クイズの後のお茶のおいしそうなこと! うま味成分「テアニン」の癒やし効果にあふれる皆さんのお顔に思わずほほえんでしまいます。

 いずれの回も、始まる前に「お茶うがい」をしていただきます。「すっきりして気持ちいいです」との感想が多いようです。「おいしくて、うがいの後飲んじゃいました」とのツワモノも。

 
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