ゴールデンウイークに始まり、シルバーウイーク、ハッピーマンデー、そして、ちょっと違うけれど、プレミアムフライデー、次は?
小売業にたずさわっていると、祭日の存在など、まるで他人事。「世の中、今日は休みなんだ」との思いがあるだけ。どこへ行っても混んでるだろうなと、自分を少し慰めます。師走、新茶時期は無休営業。交代で休みは取るものの、店が開いていると自宅にいても内線の電話がかかってきたりと、何だか落ち着きません。
でも、繁忙期が過ぎ、一段落すると、人の手当てさえつけば平日でも休みを取ることができます。臨時出勤をお願いしたスタッフに快く送り出され、人混みにも渋滞にも巻き込まれず、のんびりと旅を楽しみます。この商売ならではとありがたい思いです。
年賀用品の需要が以前に比べ減ったとはいえ、正月2日からの営業は昔から続いていますが、商店のお正月の過ごし方になじむまでには、しばらく年月が必要でした。ようやく慣れてきた頃、中内功氏率いるダイエーが元旦営業を宣言。多くのスーパーマーケットがそれにならい、従業員だけに負担をかけるのは申し訳ないと、スーパー内の支店へ出勤する夫を見送りながら、「元旦に店を開く必要がどれだけあるのかしら」と思った気持ちは今でも忘れることなく心に残っています。現在でもスーパーでの元旦営業は続いていますが、正月出勤してくれる販売員たちの協力には感謝あるのみです。
「変える」ことは、その結果に責任も伴うので恐い面もありますが、営業日を時間も含めて考え直す時期にきていると考え、スーパー内の支店以外の各店で、数年前から順次、見直しを行っています。今のところ特に大きな問題はなく、従業員たちからも「家庭とのバランスも取れ、効率的に動くようになった」と好評です。
百貨店、全国展開の飲食店などでもさまざまな見直しが行われていることは、すでに広く伝わっているところですが、サービスを提供する側として、また受ける側としても、立ち止まって考える局面を迎えているのは明白です。
「進化するサービス」とは「提供する者」「受ける者」双方にとっての利点を生み出しつつ、より良いバランスを取りながら、最適な着地点を目指す中でしか見いだせないのかもしれません。
医療や警察、交通関連など、曜日、時間を問わず対応が必須の場合は確かに存在し、その必要性、重要性を考えると、これらの職種に関しては、まったく別の視点からの考察が必要なのでしょう。