急須にまつわるクレームを2件ご紹介します。
毎年新茶をご予約して下さるお客さまから、「今年のお茶はまずいし、色も悪い」とのお電話が。お気に召さなかったことをお詫びし、私共でも原因を調べたいからとご持参下さるようお願いしました。店頭でそのお茶を淹(い)れてみましたが、何の問題もありません。お母さまの家で同じお茶を飲んだときはおいしかったのにとのこと。よくよくお聞きするとどうも急須の汚れが原因のようでした。
長年、同じ銘柄のお茶をお飲みのお得意さまから、「いつものお茶、何か変わった? おいしくないのよ。わが家のお茶はおいしいと、楽しみにしている友達にも不評よ。もう飲んじゃったけど」と店頭で。
他の方からはそのようなお問い合わせはないし、とにかく調べさせていただきたいので、少しでも残っているお茶があれば取りにうかがわせていただきたいとお伝えしました。帰り際、急須の並んだ棚をご覧になりながら、「いただき物の急須を使っているのよ」と。「それはかご網の急須でしょうか」とお聞きすると、「そうよ」。ご愛飲のお茶に適した急須をお勧めし、一件落着。
商品購入後の不備はさまざまあると思いますが、売り手とすると、その問題点をぜひ知りたいと考えていると思います。クレーマーは論外ですが、ご遠慮なくご指摘をお願いいたします。周りや、自身で何か問題が起きた時、私はその処理の仕方に興味津々です。「なるほど、そうきたか」「ん?」「さすが」と対応はさまざまですが勉強になります。