【日本茶インストラクターが勧める 素敵なお茶生活 54】メディアリテラシー 繁田聡子


 日常会話でカタカナ語を使うのは、できるだけ避けたいと思っています。花を買い求める際、知らない花があると、その名を聞くのが常ですが、カタカナの名を伝えてもらってもピンときません。和名は何と言うのですかと、よく尋ねます。最近は外国産の新しい花も増えてきたから、分からないとの返答も多いのですが…。

 「メディアリテラシー」という言葉を初めて聞いたとき、なぜ日本語を使わないのだろう、意味が想像できないと、「リテラシー」の意味を英和辞書で引いたくらいです。「読み書きの能力」「読み書きのできること」との和訳。新聞、雑誌、放送など、マスメディアが伝える情報を理解する能力のことなのでしょう。各メディアの特性を踏まえて、そのまま信用するのではなく、批判的に読み解く力、取捨選択する能力の重要性を示す造語だろうと思います。残念ながら、日本語で端的に表す表現は見つかりません。さらに「ヘルスリテラシー」なる造語も出現しています。健康情報を見極め、意思決定する力だそうです。次々と「○○リテラシー」なる造語が出てきそうな気配すらします。

 最近の「世界価値観調査」によれば、マスメディアを信用している割合が、アメリカは2割程度なのに対し、日本では7割にも達し、他の国々に比べても非常に高い割合を示しているとのこと。言い換えれば、日本人は情報に振り回される危険性が高いということでしょうか。

 また、平成28年度の総務省情報通信政策研究所と東京大学との共同研究と調査結果では、日本でのメディアに対する信頼度は、高い順に、新聞が7割、テレビが6割5分、インターネットが3割強、雑誌が2割になるとのことです。

 フェイクニュースなるものも飛び交う昨今、情報が多ければ多いほど、取捨選択の難易度は増しそうです。情報の波にさらわれず、心して判断しなければと思うも、なんと難しいことでしょう。

 高校時代、倫理社会の先生がよく口にされていた「小市民的小状況主義」という言葉をこのところよく思い出します。「君たちは常に考えなければいけないよ。例えば、平和が一番だって皆が思っているはずだから、戦争なんて起こるわけがないだろうなど。こういう単純な考え方が小市民的小状況主義であり、安易な生き方につながるんだ」と熱く語っていらした先生は、今の状況をどうお考えになるでしょうか。

 
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