スポーツを生かした持続的なまちづくりを目指すには、地域内での人材育成や環境整備などの取り組みと、自然や文化など地域資源を最大活用した地域外からの誘客を同時展開する戦略的なマネジメントが必要だ―。
スポーツを生かしたまちづくりについて、最新の政策的な動向に加え、国内外の先進事例からマーケティング手法やビジネスモデルなどの実践スキームを豊富に紹介した。
第3章「スポーツツーリズムの新しい展開」では、「日本が幸運なのは、観光資源としての自然資源が豊富にあることと、世界に類を見ない生物の多様性が存在することである」と指摘。その上で、「世界でもまれな日本の自然資源の豊かさに、絶対的な競争優位性が存在することは明白である。よって、これを活用しない手はない」と、日本各地でのアウトドアスポーツツーリズムの推進を提言している。
著者はペンシルバニア州立大学健康・体育・レクリエーション学部博士課程修了後、大阪体育大学大学院教授などを経て、2005年から早稲田大学スポーツ科学学術院教授。日本スポーツツーリズム推進機構代表理事、Jリーグ参与、日本バレーボール協会理事などを務めるほか、観光庁「スノーリゾート地域の活性化推進会議」議長などを歴任。スポーツマネジメントの視点から、未来を見据えた日本のスポーツビジョンづくりを研究テーマとしている。
四六判、248ページ。本体価格2300円。発行=学芸出版社。