日本に伝わる伝統こけしを絵と文章で解説。
東北6県で全11系統に類型化されている伝統こけしの工人(こけしの作り手)を訪ね、各系統の伝統・風土・意匠・工人の人物像を浮き彫りにします。
著者は、郷土玩具の造詣が深いイラストレーターの佐々木 一澄氏。
全国最大のこけし愛好家団体「東京こけし友の会」に所属し、こけし文化の発展に尽くしています。
“こけしのことをもっとも知るイラストレーター”とも呼ばれる佐々木氏が、かわいくも本質を捉えた絵でこけしを描写します。
現在は「第三次こけしブーム」とも言われ、地域に根ざした文化としてこけしに注目が集まっています。
民藝運動などに端を発する昭和初期の「第一次こけしブーム」、高度経済成長の昭和30年代におきた「第二次こけしブーム」では、工人の魅力が語られた多くの名著が出版され、今でもその言葉たちは輝きを失うことはありません。
しかし、東日本大震災からの復興を契機におきた第三次こけしブームによって、こけしがさまざまなメディアで取り上げられるようになった今、なぜか工人の言葉や、こけしに内包された物語が語られることはほとんど無くなってしまいました。工人の高齢化も進み、伝統が途絶えてしまうという状況も考えられます。
だから今こそ、工人の話を聞き、言葉をのこすべきだ、そうした考えのもと著者が各地の工人を訪ねました。
こけしの歴史がわかり、伝統を受け継ぐ工人の姿と肉声にふれられる一冊。
こけし好きはもちろん、これからの方もこけしの魅力にハマること間違いなし!
《伝統こけし11系統》
津軽系(青森県)・木地山系(秋田県)・南部系(岩手県)・鳴子系(宮城県)・遠刈田系(宮城県)・作並系(宮城県)・弥治郎系(宮城県)・肘折系(山形県)・山形系(山形県)・蔵王高湯系(山形県)・土湯系(福島県)
【著者プロフィール】
佐々木 一澄(ささき・かずと)
イラストレーター。雑誌、書籍を中心に活動し、児童書の挿絵や絵本も手がける。
著作に、『てのひらのえんぎもの 日本の郷土玩具』(二見書房刊)、『おいで おいで』(福音館書店刊)、『からだあいうえお』(保育社刊)など。東京こけし友の会、竹とんぼの会(日本郷土玩具の会刊)会員。
【書籍概要】
書 名:こけし図譜―イラストレーションでわかる伝統こけしの文化・風土・意匠・工人
著 者:佐々木 一澄
仕 様:A5判、160ページ
定 価:本体1,800円+税
発売日:2020年1月9日(木)
ISBN:978-4-416-51946-2