ヒトやモノを運ぶ目的で150年前に誕生した鉄道。牛や馬、獲れたての魚、お金、新聞、手紙、美術品、自動車など、日本の鉄道はありとあらゆるものを運んできた。
鉄道はさらに目に見えない文化も運んだ。北海道の豪雪地帯に活動写真を届けた「映画列車」、辺境駅そばの国鉄官舎で生活する駅員とその家族に生活物資を販売した「配給車」、宗教大会の参加団体を輸送する「団体臨時列車」、NHK放送開始25周年で運転された「全国巡回ラジオ列車」、鉄道開業80周年で全国を巡回した「動く鉄道博物館列車」、日立のテレビを紹介した「ショールーム列車」等々。
第8章「異常時に発揮される鉄道の底力」では、東日本大震災時の大迂回(うかい)ルート、交換設備を新設した有珠山噴火への対応などを紹介する。
運んできたモノや文化を通して日本の鉄道の素晴らしさを再発見できる1冊。
価格は900円(税別)。199ページ。交通新聞社新書。2020年12月15日発行。
問い合わせは、交通新聞社TEL03(6831)6622。