日本の旅館・ホテルの「おもてなし」に焦点を当て、各分野の専門家の経験に基づいた知識と、最前線のテクニックをまとめた1冊。「過去に旅館・ホテルのノウハウを紹介した書籍はあったが、『働き方改革』を念頭に女将やスタッフの役割から旅館・ホテルのこれからの役割まで網羅して書かれた書籍は業界初」(発売元)。
第1章「女将の仕事、スタッフの仕事」から第9章「旅館ホテルのこれからの役割」まで9章構成。
第1章では「ストレスのない職場づくり」「あいさつ」「取引先とのつきあい」など多岐にわたる女将の仕事をはじめ、フロント、客室、調理場など、旅館・ホテルにおけるさまざまな場面での具体的な仕事の中身を解説。
第2章「おもてなしの極意」では、予約から見送りまでさまざまなシーンでのもてなしの基礎、顧客に喜ばれるサービスの極意を伝えている。
最終章では旅行形態の変化、人口減少など時代の変化を背景に「これまでのような単なる”おもてなし”に努めるだけでは旅館・ホテルは生き残れない」と、新たなサービスの提供を提案している。新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、”想定外時の役割”に期待が高まっているとも言及している。
このほか体が不自由な人への対応、和室や和食、非常時の対応など、サービススタッフが知っておくべき知識を網羅。旅館・ホテルで働く全ての人々、これからサービスマンを目指す人たちの参考になる1冊だ。
監修する日本ホテルレストラン経営研究所はホテルやレストランで働く人々のサービス力や社会的地位向上を目指すNPO法人。「女将やスタッフたちの実際の行動について全国各地に赴き、専門家の立場で徹底的に調査した」。
A5判並製、192ページ。定価2800円(税別)。日本ホテルレストラン経営研究所監修。星雲社刊。