「入湯税と二重価格」「顧客の負担増」
全国の自治体で議論が進む「宿泊税」について、観光経済新聞社はこのほど、全国の主な旅館約200軒にアンケート調査を行った。自身の地域における同税導入の可否を聞いたところ、賛成、反対が同数と意見が分かれた。賛成派は観光予算の確保、反対派は入湯税との二重課税、顧客の負担増を多くが指摘した。
調査は1日、全国の主な旅館約200軒にアンケート用紙をファクスで送信して実施。5日までに32軒から回答が寄せられた。
旅館・ホテルなどへの宿泊に税金を課す宿泊税について、自身の地域で既に導入している、いないに関わらず、「賛成」「反対」「その他」の三つから一つを選択してもらった。その結果、賛成、反対ともに14軒、その他に4軒が回答した。その他は「条件付き賛成」「宿泊税との名目に反対」「どちらでもない」など。
賛成、反対それぞれの理由を聞いた。賛成は「市などの財政がひっ迫している中で、観光予算が取りにくい」「観光に特化した財源が少なく、現状で観光分野への公共投資が少ない中、貴重な財源になる」と、ほとんどが地域における観光振興に関わる財源確保の必要性を指摘する。
一方、反対の理由は「既に入湯税があるので重複する」「入湯税もあるので、お客さまの負担になる」と、温泉利用者から徴収する入湯税との二重課税による顧客の負担増を多くが挙げる。「宿泊税が課税されれば宿泊数が減少したり、他県に流れてしまうことは明らか」「施設側の手間が増えるだけでメリットを感じない」などの意見もあった。
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