観光庁、宿泊旅行統計調査
観光庁が2月28日に発表した宿泊旅行統計調査の2019年年間値(速報値)で東北観光の状況を見てみよう。統計上、東日本大震災の発生以前の2010年の数値と直接比較が可能な従業者数10人以上の宿泊施設における数値を使う。
東北6県の延べ宿泊者数は3387万6千人泊で、10年比12.0%増となった。県別では、秋田県を除く5県が震災前の水準を上回っている。
ただ、ビジネス客などより観光客の宿泊が多い観光旅館・ホテルなど「観光目的の宿泊者が50%以上の施設」の延べ宿泊者数は、東北6県で10年比15.0%減の1469万5千人泊だった。半面、「観光目的の宿泊者が50%未満の施設」の延べ宿泊者数は、同47.9%増の1917万9千人泊となった。
「観光目的の宿泊者が50%以上の施設」の県別の延べ宿泊者数(カッコ内は10年比)は、青森県153万人泊(17.2%増)▽岩手県224万9千人泊(15.3%減)▽宮城県336万6千人泊(15.4%減)▽秋田県121万3千人泊(26.3%減)▽山形県198万4千人泊(21.8%減)▽福島県435万4千人泊(15.7%減)。
「観光目的の宿泊者が50%以上の施設」の延べ宿泊者数は、青森県以外の5県が震災前の水準に対して2桁の減少率となった。震災復興を含む業務目的の宿泊需要、観光目的の宿泊需要の動向など、震災前との変化を分析する必要がある。
一方で、東北6県の外国人延べ宿泊者数は、10年比208.3%増の155万8千人泊となった=10面に関連。10年に比べて3倍以上に増加しており、県別でも6県全てが震災前の水準を上回っている。