◆コロナ禍での集客対策~キーワード「ひとり旅」「一人旅」
コロナに翻弄(ほんろう)された2020年も残りわずか、開発されたワクチンが承認される明るい話題がある一方で、日本のコロナ感染者数の増加から、Go Toトラベルの一時中止報道などで先が読みにくい状況だ。Go Toトラベルにより一時的にしのげたとしても、未来永劫に続くキャンペーンではない。Go Toトラベル期間中に従来の取り組みを変革する必要性を感じられていると思う。
2020年4月から、旅行関連の検索キーワードで「ひとり旅」「一人旅」が増加している。密を避けながら、一人で自分のペースで旅行をする人が増えているようだ。弊社の顧客例として、ある離島のホテルは、女性の一人旅が増えて、宿泊数5、6泊が多いようだ。
インスタグラムの#タグ検索では、#ひとり旅(投稿93.5万件)、#一人旅(投稿186万件)、#ワーケーション(投稿3.2万件)と一人旅投稿の増加が確認できる。Go Toトラベル対応のお一人様プランや、お一人様で楽しめる情報発信など、検討の余地はあると思う。
政府や地方自治体が推進している働き方改革に伴う「ワーケーション」も、どういう人に利用してもらいたいか? ターゲットを明確にした取り組み、プロモーションが必要ではないだろうか。
独身の20代から30代を対象とした「一人旅」×「ワーケーション」という軸で受け入れ態勢を強化し、一人で参加されたお客さま同士で、コミュニケーションをとる機会(イベント)を企画する。都内のホテルや地方ホテル、旅館でいろいろなパターンが考えられる。
最近、メディアなどでの取り上げが増えている「SDGs」。一人旅×ワーケーションの旅行者向けにSDGsの取り組みを体験できるような企画を行う。世界の観光トレンドはSDGsを取り入れた内容が注目されている。従来の取り組みをSDGsの観点で見直し、旅行者に体験いただく機会をつくる(例=先住民に関わる観光、天体と関わる観光、考古学と関わる観光、伝統工芸ワークショップ、女性だけでトレッキングができるプログラムなど)。
カナダのFOGO島、ホテル客室の家具は島の職人が全て手作り。SNSで拡散され、手作り家具を世界に輸出している。2021年は、「コロナ危機」は新たなビジネスチャンスと捉えて、魅力あるホテル、旅館、地域に磨き上げていくことを皆さんと一緒に取り組んでいきたいと思う。
(コレリィアンドアトラクト代表取締役)