アフターコロナを見据えた売り方の変化について、「ホテル従業員価格をグローバルで提供する革新的なプログラム」を紹介する。
旅行・ホテル業界にかつてない打撃を与えたCOVID―19(コロナパンデミック)。業界全体でこの危機を乗り越えるために、世界中のホテルチェーン、ホテルマネジメント会社、個人経営のホテルが協力し、2021年4月に「ホテル従業員レート」トラベルプログラム(https://hotelemployeerate.com/)を新たに発表した。
このプログラムに参加しているホテルの従業員に、大手ホテルブランドと同様に、プログラムに参加しているホテルであれば、従業員レートでの特別な宿泊が提供される。このプログラムは、ホテル従業員に新たな旅の世界を提供すると同時に、従来は需要が少なかった時期にホテルが客室を確保し、レジャー旅行市場を再活性化するきっかけになるといえる。
参加したホテルの従業員のみがアクセスできるように、パスワードで保護されており、一般にこのレートが公開されることはないとのこと。
ホテルの規模により、年会費、管理費が発生するが、できる限り少額に抑えている。また、簡単に導入できるよう、PMSに直接連携でき、各種チャネルマネジメントツールと連携しているが、現在発表されているシステムは、Fast Bookingや、RateGain、Synxis、Travel Clickなど20社を超えている。
昨秋よりテストスタートしているため、現在では世界100カ国以上の国のさまざまなホテルブランドが既に参画している。独立系ホテルやスモールチェーンホテルが、このプログラムに参加し、業界のメリットを感じることができればとされている。今のところ、従業員は自分のホテルアカウントで、最大10人の友人や家族をプログラムに追加することができる。
オフシーズンの稼働に貢献するだけでなく、従業員の福利厚生に役立ち、人員の確保、スタッフの満足度向上につながる取り組みかと思う。インバウンドの需要回復は2022年以降と予測されているが、この取り組みに参画することで、海外のホテリエに宿泊いただく機会を作ることができるかもしれない。
(コレリーアンドアトラクト代表取締役)