企業のオフサイトミーティング型ワーケーション活用
ワーケーション市場規模は699億円、5年後5倍に。コロナ禍で、企業のテレワーク導入が一気に広まった。企業だけでなく、国もワーケーションの普及に意欲を示しているため、この市場は大きく拡大すると矢野経済研究所は予想している。テレワークを導入した企業の多くは、コロナ禍が収束しても「在宅勤務とオフィス勤務のハイブリッド型の働き方」を続けていくと推測し、2020年度から25年度にかけて、ワーケーション市場の年平均成長率は約40%で推移すると予測している。
「ワーケーションという言葉は7割以上が認知。経験者は7・4%、組織導入済みもしくは導入予定は約1割」。新型コロナウイルス感染拡大前からワーケーションをしていた”自分の働き方に大きな裁量が認められている一部の人”を中心に構成されているのが現状だが、ワーケーションはニューノーマル(新しい日常)に対応した働き方として、個人のワーケーション活用以外に、企業もワーケーションを取り入れ、柔軟に対応していくことが求められる。
アフターコロナのオフサイトミーティングにおいて、三つのポイントが求められる。
(1)「従来の会議=会社の会議室で対面形式で行う」という固定概念を捨てる=会議の目的に合わせて、オンラインとリアルを使い分ける。オフサイトミーティング中にもオンラインでも会議に参加できるようにハイブリッド対応は必須となる。
(2)一方通行の伝達をする会議は無駄=会議参加の意義(ベクトル)を合わせて、議論して一緒に問題を解決するプロセスを体験させることが必要だ。企業が開催するオフサイトミーティングのゴールや目的に適した会場であることが選ばれる理由になる。なぜ、その施設、会場がお薦めなのかというポイントを説明できなければ、オフサイトミーティングの会場として選ばれなくなる。従来の箱売り営業からの脱却は必須だ。
(3)ある企業の調査によると、社内会議の約25%(平均)が無駄な会議=例えば、従業員規模30人の会社では、年間で475万円相当の人件費がムダ会議に費やされているという調査データがある。そのため、オフサイトミーティングを開催した場合のROIを可視化するという難しい課題を乗り越える必要がある。実施したオフサイトミーティングで効果(例=企業の売り上げアップ、社員のモチベーションアップ、離職率の低下)があったとなれば、ミーティング費用は経費ではなく投資になる。
コロナ禍では企業のオンラインコミュニケーションが当たり前になったが、その半面、リアルで集まる機会の重要性が増し、非日常の場所でより効率的に行うことが求められる。従来の売り方から脱却してニューノーマルに対応したオフサイトミーティングの受け入れ方法を検討してみてはいかがだろうか。
(コレリーアンドアトラクト代表取締役)