◆2024年の消費傾向
コロナ禍から解放されたお正月を楽しみたいと思っていたところに、能登半島地震、航空機事故は大きな衝撃を受けましたが、災害、事故に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。一方、日経平均株価は円安の影響もあり、バブル後最高値を更新し、2024年の干支「辰(たつ)」にちなんで、昇り竜のように、宿泊業界が飛躍の年になってほしいと思っています。
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博報堂生活総合研究所「生活者にきいた“2024年生活気分”」の調査レポートによると、「2024年にお金をかけたいこと」の1位が旅行だった。国内においてコロナ禍からの完全な復活と人々の活動量が増えていることが読み取れる。また、2023年からインバウンドの復活が顕著で、2024年はさらなる増加が見込まれる。コロナ前はアジア(特に中国人)からの旅行者の爆買いが象徴的だったが、2023年は買い物より日本独自の体験の消費額が増えているようだ。インバウンドの消費行動も大きく変化している。
京都駅ほどではないが、箱根湯本駅は外国人が多く、路線バスや登山電車は超満員でオーバーツーリズムが懸念されている。富裕層の訪日外国人は、混雑を避け、羽田、成田空港からヘリコプターで目的地に移動する人も増えている。
クレディ・スイスのレポートによると、100万ドル以上の資産を持つ富裕層は、2024年にはアジア太平洋(含む日本、中国)の富裕層数が欧州を上回ると予想されている。アジア太平洋が1792万人、欧州は1789万人と予想され、アジア太平洋が上回りそうだ。
円安により訪日外国人からすると日本は「質が良くて安い」という印象だと思う。富裕層向けに、日本ならではの体験(地域の観光資源を組み合わせる)を提供し、量より質、質が良い独自の体験を高く売ることをお勧めする。
日本人向けの集客施策のネタとして、電子決済利用率1位の「PayPay」を導入している場合、公式サイト予約限定で支払い時にPayPayを使うと、ポイント還元率をアップするなどの取り組みを公式サイト予約限定で行うのはいかがだろうか? PayPay登録ユーザー数は、2023年10月4日時点で6千万人を突破し、日本の人口の約2人に1人が利用している。直販比率を高める施策になるか試していただきたい。
(コレリーアンドアトラクト代表取締役)