10月中旬に日本三景の一つである「天橋立」を再訪する機会があった。日本三景は江戸時代初期に全国を行脚した儒学者・林春斎が『日本国事跡考』で松島、天橋立、厳島(宮島)を「三処奇観」と記したのが始まり。いずれも日本を代表する風光明媚な名勝で、幸い私は三処とも訪れたことがある。特に天橋立はこれまでに3回(57年前、25年前、今年)も訪れている。今回驚いたのは従前とは異なるインバウンドの著しい増加であった。特に台湾からの来訪者が多いと感じた。
世界的な観光都市・京都市を域内にもつ京都府は京都市外に観光客を呼び込む「もうひとつの京都」事業を展開している。2015年に宮津市から大山崎町に至る京都縦貫自動車道が全線開通し、名神高速道路とつながるとともに、京都市内から2時間以内で府内の各地にアクセスできるようになったのが転換点だ。要するに京都市に集中する観光客を広く府域の各地域に回遊してもらうための観光事業展開である。
「もうひとつの京都」の展開エリアは、京都府北部の「海の京都」、中部の「森の京都」、南部の「お茶の京都」、乙訓地域の「竹の里・乙訓」である。
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