観光庁HPには各種先進事業のノウハウ集が公開されている。地域の事業を進化させる上で非常に参考になるが、意外に知らない人も多い。「サステナブルな観光に資する好循環の仕組みづくりに向けた事例集」は、弊社も事務局として伴走支援等のお手伝いをした中で、地域のプロダクトにおける有意義なポイントがまとまっているので紹介しておきたい。
事業背景として、世界的に持続可能な観光に対する配慮や意識が高まる中、地域の本質に触れる深い体験価値や、観光を通じた地域への貢献を重視する傾向が強まっていることが挙げられる。わが国の豊富な地域資源を未来に継承していくために、旅行者が自然・文化・歴史・産業等地域の本質を味わいながら、地域への貢献を実感できるコンテンツを造成するとともに、旅行者の観光行動による恩恵を地域の経済・社会・環境へ還元する好循環を加速していくことが重要である。そんなよいモデルをつくるためのノウハウがまとまっている。
好循環の仕組みとして、地域資源の保全・維持管理の実施(方針共有、意識醸成、ルールづくり、運営自走化等)、観光収益の地域資源の保全・維持管理への再投資、地域環境を直接守る活動の組み込み(保全活動参加)、観光による地球環境への負荷軽減、地域経済への貢献、交流の創出・拡大といった好循環を生み出す仕組みが機能することこそ必要だという考えである。これらの仕組みづくりを進めるための評価指標として、三つの観点と九つのポイントが整理されている。
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