この夏、知床にお邪魔した。遊覧観光が再開されていた中で、これまでの経緯を調べてみた。事故後に、国土交通省では知床遊覧船事故対策検討委員会で有識者の議論が重ねられ、旅客船の総合的な安全管理の基準として、(1)事業者の安全管理体制の強化(2)船員の素質の向上(3)船舶の安全基準の強化(4)監査・処分の強化(5)船舶検査の実効性の向上(6)安全情報の提供の拡充(7)利用者保護の強化―を策定。「海上運送法等の一部を改正する法律案」も令和5年4月28日成立、5月12日に公布されている。
また、地元においても事業者3社が一緒になり、知床小型観光船協議会を立ち上げ、令和5年4月に四つの自主ルールを定めて運航を再開している。
(1)「運航判断・基準航路」運航判断において必ず複数者で協議決定し、単独での判断は行わない。判断が分かれた場合は「欠航」とし、その決定については全事業者間で統一する。また、定められた航路を逸脱することなく輸送の安全を確保し、陸上には運航管理者または運航管理補助者が事務所に常駐する。
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