先日某ホテルのGMから、「また帰りたくなるようなリゾートホテルはありますか?」と尋ねられた。直近で行っていることもあり、まず挙げたのが2回連続でご紹介している「ホテルオークラマカオ」。
複合リゾート施設「ギャラクシー・マカオ」内にあるから、カジノもショッピングも楽しめる上、世界最長の流れるプールやウォータースライダー、白い砂浜まであり、レストランも数え切れないほどある。
マカオには、同様にカジノやショッピングが楽しめ、ホテル内を運河が流れゴンドラにも乗れる「ヴェネチアン」がある。船頭さんの歌うカンツォーネが館内に響き、こちらも捨て難いのだが、やはりオークラに軍配が上がる。その理由は、素晴らしいゲストリレーションズの存在だ。
「お帰りなさいませ」と言って出迎えて下さる、着物姿の女性スタッフの皆さんの笑顔を見るとホッとする。レストランの予約をお願いすれば、住所や行き方はモチロンのこと、ホテルから何分ぐらいかかるかまで教えて下さるので、とても安心だ。顧客情報も徹底的に共有されている。例えばコンプリメンタリーで筆者の部屋にワインが置いてあった際、アルコールを飲まない同行者の部屋にはノンアルコールのスパークリングワインが置かれていた。彼女たちを統括しているグロリア女史の教育のたまものだろう。
もう一つの楽しみは、エグゼクティブラウンジの朝食。ブッフェスタイルのこの朝食、ラウンジの物とは思えないほど、とても充実しているのだ。目の前で調理してくれる麺は、ベトナムのフォーと同じ米粉麺か、小麦粉の細い香港麺から選べる。オーダーすれば、卵料理も作ってもらえる。
中国ならではのシューマイやエビ餃子、チャーシューパオなど点心もあり、魚の蒸し物や野菜炒めなど中華料理、焼きそばやチャーハンもある上、「日式」と書かれたカレーやそば、納豆、ご飯にみそ汁など、日本人にうれしい和食も並ぶ。
パンの種類も豊富だ。トーストの他、カボチャの種やケシの実が載ったパン、黒パンなど甘くないパンだけでなく、さまざまな菓子パンの他、マフィンやアップルパイ、パンケーキにドーナツ、ブレッド・プディングまで、甘党の期待にも応える品ぞろえには驚く。
和洋中のお料理とデザートまで楽しめるのだが、なんとこれらの内容が日替わりになっているのにはビックリ! 連泊の人を飽きさせない工夫である。
まだ8時過ぎだというのに、毎朝ニック・ハマー総支配人がラウンジにいらして、顔なじみのゲストにごあいさつをされていた。筆者にも「昨日は楽しめましたか?」とお声掛け下さり、うれしい限り。同館のスタッフの方々が常にゲストのことを考えて下さるのも、GMのそうした姿勢に感化されてのことだろう。
ホスピタリティあふれるホテルに宿泊し、カジノも楽しめ、砂浜でリゾート気分にも浸れるのだから、帰りたくなるのは当然だ。さて、次はいつ帰ろうかな?
※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。