【竹内美樹の口福のおすそわけ 365】エッグ・ベネディクト♪~前編 宿泊料飲施設ジャーナリスト 竹内美樹


竹内氏

 ゴールデンウイークだというのに、3度目の緊急事態宣言だ。コリャもう、おうち時間を充実させるしかない…ってワケで、わが家では休日にブランチを楽しむ機会が増えた。朝食とランチの間ってことで、普段の朝ご飯にはチト重たいかな?というメニューが多い。中でも筆者の大好物は、半分にスライスしたイングリッシュ・マフィンをこんがり焼き、ハムとポーチド・エッグを載せ、オランデーズ・ソースをかけたエッグ・ベネディクト。

 今はいつになったら行けるか分からないが、海外ではおいしいエッグ・ベネディクトがあると聞けば、わざわざ出掛けた。例えば、米西海岸のサンディエゴ。ラ・ホーヤ海岸に、地元産ブルー・クラブのクラブケーキ入りエッグ・ベネディクトで有名な店があると知り、そこまで足を延ばしたおかげで、触れるほど近い距離でアシカとアザラシに会えたなんてコトも。

 余談だが、エッグ・ベネディクトは、卵とマフィンの間に挟んである物によって違う名前が付いている。クラブケーキ入りは、その発祥地メリーランド州にある、ブルー・クラブの名産地チェサピーク湾に由来して、「エッグ・チェサピーク」と呼ばれる。

 エッグ・ベネディクト食べたさに、何度も通った店も。NYトライベッカ地区の「THE ODEON」だ。同店では、カナディアン・ベーコンかスモークサーモン、またはほうれん草入りの3種類から選べる。ちなみに、ほうれん草だと名称は「エッグ・フロレンティーン」だ。

 カナディアン・ベーコンって、カナダ産ベーコンのこと?と思われる方も多いだろう。実はカナダ産という意味ではない。しかも、あの脂身が層になった、バラ肉から作られるベーコンでもない。豚ロース肉で作るベーコンを、アメリカではこう呼ぶのだ。見た目はロースハムとそっくり。

 いつもこのカナディアン・ベーコンにするかサーモンにするか、悩むところ。いずれにせよ肝心なのは、ナイフを入れた瞬間にとろぉ~りと出てくる卵黄と、オランデーズ・ソースのハーモニー。この最強コンビと共に口に運べば、肉だろうが魚だろうが、おいしいに決まっている。

 それにしても、この絶妙な組み合わせ、誰が考えたんだろう? 調べたところ、名前の由来となったベネディクトさんという人が、1900年ごろ考案したNY生まれの料理というのが定説らしいが、どこのベネディクトさんもしくはベネディクト夫人かは、諸説あってハッキリしていない。

 そもそも、バターとレモン果汁と卵黄を乳化させるオランデーズ・ソースは、マヨネーズの兄弟分みたいなモノだが、ちょっと厄介者だ。湯煎にかけながら泡立てる必要があり、その温度によっては卵黄が固まってしまったり、逆にいつまでたっても粘度がつかなかったりするからだ。

 ポーチド・エッグも奇麗に作るのは意外と面倒で、飲食店などで大量調理するのは結構大変。その解決策とは? 続きは次号で!

 ※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。

 
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