樹木や動物の糞尿・生ごみなど動植物に由来する有機性のエネルギーのことを、バイオマスエネルギーと言います。樹木は伐採した後に植林すれば50~60年で森林に戻るリサイクルを繰り返す持続可能なバイオマスエネルギーで、まきや破砕チップ、木質ペレットとして発電や加熱装置の熱源として使われています。そして、樹木は成長する過程で二酸化炭素(CO2)を吸収しているので、燃やしても大気中のCO2濃度が増えるわけではなく、大気中の炭素濃度には関与しない、つまり大気中のCO2濃度を増やさないカーボンニュートラルなエネルギーなのです。
わが国は、国土の約3分の2が森林という世界有数の森林国で、長年森林面積を増やすことなく人工林などで森林資源を増やし続けて、現在約52億立方メートル蓄積されており、その約2分の1が50年を超えた木材として活用できる資源になっていますが、現在では有効に使用されることなく放置されている森林も各地に見られます。
わが国の林業は海外からの安価な木材の輸入によって競争力を失って衰退し、樹木の間伐や伐採、枝打ちなどの管理が行われなかった結果、森林が荒廃し木材が資源として有効に使われることがなく捨てられているのです。その結果、わが国は豊富な地産地消でサステナブルなエネルギーに囲まれているのに、ほとんどのエネルギーを海外から輸入している結果、現在のエネルギー自給率は約11・8%に過ぎないのです。
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