星野リゾートと教育連携
日本工学院専門学校は2023年4月、東京・蒲田キャンパスの情報ビジネス科ホテルコースを、従来のホスピタリティ教育だけでなく、「IT×コミュニケーション=マーケティング」をコンセプトに、「ホテル・観光コース produced by 星野リゾート」としてリニューアルし、これからのホテル・観光業界が求める人材を育成する。
「ホテル・観光の仕事のやりがいは、人や社会、地域の活性化に貢献できること。お客さまの喜びを日々実感できる仕事です。そして時代や人によって求められるものが変化しますので、ゴールがないというのも魅力です」。星野リゾート出身で、ホテル・観光コース専任教員の遠藤麻由教師は、ホテル・観光業の魅力についてこう語る。「ホテル・観光コースでは、ホテルスタッフに必要なスキルとともに、簿記やワード、エクセルなどの基本的なパソコンスキル、観光人材に必要なマーケティングスキル、そしてホスピタリティやコミュニケーションなどの人間力を高めるためのカリキュラムを幅広く用意しています」。
ホテル・観光コースの特徴はツールとしてのIT教育と産学連携・地域連携を中心とした体験型教育。IT化が進むホテルの現場において、システムを使いこなせる人材育成を行うと共に、企画力やマネジメント力向上のため、企業や行政との連携を積極的に行っている。また、他学科とのコラボレーション授業を行うことで多角的視野も養っている。
同コースでは、2021年4月から星野リゾートとの密接な教育連携体制を敷いている。同社スタッフによる授業で、今まさに現場で必要とされるスキルを実践的に身に付けられる教育を行うほか、全国の同社の施設でのインターンシップの実施、星野佳路代表らによる特別講義に加えて、卒業制作の指導協力、就職サポートなども受ける。
星野リゾートが専門学校との教育連携を行うのは今回が初めて。星野代表は観光業を目指す学生たちへ次のようにエールを送る。「『観光』には座学で学ぶことだけでなく、現地に行かないと学べないことがたくさんあります。私たちも日本工学院情報ビジネス科ホテル・観光コース講師として、これまでの現場での経験と実践を共に皆さんに伝えていきます。『観光の仕事』は、決して簡単ではありませんが、非常にやりがいのある仕事です。皆さんもどんどん観光産業の中に飛び込んでいただいて、実力を付けていただきたい。一生懸命学び、日本の観光産業を牽引(けんいん)する大事な観光人材に育ってほしいと思っています」。
日本工学院専門学校(蒲田キャンパス)は、学校法人片柳学園が運営。同学園は他に、日本工学院八王子専門学校、日本工学院北海道専門学校、さらに東京工科大学・大学院・附属日本語学校・片柳研究所も擁する教育機関だ。東京都大田区蒲田で1947年に設立。その後、日本テレビ技術専門学校、日本電子工学院と名称を変え、産業界の要請に応える技術者教育を行ってきた。2010年に蒲田キャンパスの新校舎が完成。16年には4千人収容の舞台付き地下多目的ホール「片柳アリーナ」も完成した。同専門学校の卒業生総数は約25万人に達する。
遠藤教員
実習室
蒲田駅から徒歩2分の日本工学院専門学校蒲田キャンパス