現場に強い人材を育成
帝京大学は、1966年に開学し最も古くから観光教育をしていた大学の一つだ。2006年4月に経済学部観光経営学科が開設され、東京・八王子キャンパスで約600人の学生が観光を学んでいる。
同学科の特徴は、経済学部にある学科として、簿記やマクロ、ミクロ経済など経済や経営の専門知識なども学ぶことができる。
17年からはカリキュラム改正を実施し、二つ特徴を打ち出した。一つ目の特徴は、現場に行く実習を実施。実務と学問を融合した学習やエコツーリズムなど地域と連携した学習を実践する。二つ目の特徴は、カリキュラムの構造を大きく変更。従来の科目の組み替えを行い、体系的に学べるようになった。観光者や歴史など「人に学ぶ」、まちづくりなど「地域に学ぶ」、ホテル業や航空、交通など「産業に学ぶ」教育を実施する。
教授陣も旅行会社や航空会社など観光業の実務経験者がそろうなど、多彩な教授による実学教育が行われている。
観光経営学科で観光社会学、観光調査法、観光行動論などで実践的な指導を行う花井友美准教授は「観光に必要な経済、経営など机上の学習に加え、現場実習など実践的な内容が学べる」と話す。
今後について「今年から実習を充実させている。現場を想定した学習を行うことで、好奇心旺盛で新しいことや現場で物怖じせず行動を起こせる人材を育成する」と強調した。
同学科では、20人程度の小クラスの「演習(=ゼミ)」を1年次から実施。幅広い教養や専門知識を身に付けることができる。卒業後の就職先として、16年度卒業生は、JALスカイ、ANエアポートサービス、横浜八景島、読売旅行、ハウステンボス、プリンスホテルなどに就職している。