礼節を重んずる人間を育成
学校法人日本ホテル学院が運営する専門学校日本ホテルスクール(東京都中野区)は、日本で唯一ホテルが作った学校で、今年設立から53年を迎えた。同校の教育理念は、「礼と節を重んずる人間の育成」「理論と実技の一体化によるサービスの創造」―など。
卒業生はホテル・ブライダル・レストラン業界で幅広く活躍し、日本のサービス業の一翼を担っている。今年3月の卒業生の就職状況は、日本全国のホテル・旅館などに採用され、就職希望者全員の進路が確定した。「業界が抱える慢性的な人材不足と同時に、コロナ禍で採用活動を停止した施設の求人ニーズが高まったことも一因」という。
同校の教育システムは、欧米のホテル学校を例とし、さらに国内の学校形態をも配慮。独自の教育体系を形成している。ホテル業界の現業部門での技能と知識を習得するべく、サービスから経営までの一貫した教育が特徴。
開校以降、「産学連携」を軸として教育カリキュラムを組み立て、ホテル・ブライダルを中心に、企業と連携した実践教育を行う。当初から企業実習(インターンシップ)を導入した独自の教育プログラムにより、現場で活躍できるホテリエを育ててきた。「現場で活躍できる人材を育てるには、理論と実技を一体化させることが重要」と同校。
また、今年4月からは、昨今のSNSプロモーションなどが重要視されていることを契機に、「表現して伝える力」を持った次世代のホテリエの育成を目指す「ホテルSNSコミュニケーション科(昼間部)」を新設。ホテルのサービス全般に加えて、独自のカリキュラムとしてSNSのオペレーションやマーケティングを設けて、「コミュニケーションツールをホテルのマーケティングや広報に生かす力を養うことが目標」と話す。
ほかにも、昨年8月には、教育に求められている機能と学びの空間を兼ね備えた新校舎が竣工、さらなる教育環境の拡充を図っている。
昨年8月に竣工した新校舎「宴会場」