私は、平成15(2003)年から2期4年間、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(=全旅連)の会長を務めさせていただいた。全旅連創業者の熱海の山田弥一先生以来7代目であるが、およそ業界の代表たる会長の主な仕事は法制、税制の交渉で、また国の補助金や助成制度をいかに旅館業界に有利に導くかにある。先月までの「旅館創業者の精神性」に代えてしばらくは「旅館業と政治」について記載したい。
旅館業界は、その営業許可を地元の保健所から受けるので、もともと厚生労働省の管轄で生活衛生業の一角を占める。小泉政権下の某日、国民金融公庫の副総裁が全旅連を訪問され、いわく「小原会長、小泉総理の“民のことは民に任せよ”の号令の下、官の銀行である国金がなくなりそうで大変困っています。何とか生活衛生の業界で”国金存続”を訴えてほしい!」との切実な願いを訴えられた。
すぐに生活衛生連合会の専務に連絡をとって会議を開催、連合会長はじめ16団体の会長で協議した結果、「中小零細の事業所が大多数の生活衛生業界には国金が必要だ! 残すべきだ!」との結論に至り、まずは自民党の担当部会の会議で”国金存続”を訴えた。
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