観光経済新聞社は9月19日、観光業界の識者を招いてのオンラインセミナー「観光経済新聞チャンネル」の第22回配信を行った。JR東日本びゅうツーリズム&セールス代表取締役社長の高橋敦司氏が、「地域と観光をDXする」をテーマに講演した。
高橋氏は、観光業界におけるDX化(デジタルトランスフォーメーション)の課題として、データ集積・活用が不十分であることを指摘。従来の紙をベースとした観光プロモーションなどを挙げ、「スマートフォンの普及と共に情報は全てデジタル化された。デジタル化されていないものはもはや情報ではない」とデータ化の重要性を強調した。
解決策として、「観光DXの第1目標は、検索で出てこない情報を限りなくゼロにすること。まずはWEBサイトや顧客データなど自分たちが持つ情報がデータ化できているかを自問自答しながら繰り返すことが必要」とアドバイス。優良事例として、福井県の観光データ分析システム「FTAS(エフタス)」を紹介した。
最後に、「DXは地域の課題ではなく、課題解決のための『手段』にすぎない。まずは地域の課題探しから真剣に始めるべき」と総括した。