参院選の7月4日公示、21日投開票が決まった。6月28日の20カ国・地域首脳会議(G20サミット)も終わり、いよいよ選挙戦が本格化する。令和の時代を迎えての初の国政選挙、どんな結果になるだろうか。
安倍晋三首相に対する評価、10月に実施予定の消費税10%への引き上げ、終盤国会に浮上した年金問題などが選挙の争点になろうか(もちろん、他にもたくさんある)。
首相は26日、通常国会閉会を受け首相官邸で記者会見し、参院選について「まさに最大の争点は政治の安定にある」と強調。憲法改正についても強い意欲を示し、「憲法の議論すらしない政党を選ぶのか、国民に自分たちの考えを示し、議論を進める政党や候補者を選ぶのかを決めていただく選挙だ」とも語った。
観光業界の専門紙として気になるのが、観光立国・先進国実現に向け各党がどう取り組むかだ。
自民党の「政策BANK」をみると、「観光」という項目を設け、(1)地方の隅々までインバウンドの恩恵が行き渡るようにする(2)外国人観光客に対する快適な医療の確保(3)ナイトタイムエコノミーの活性化や体験型コンテンツの開拓による「コト消費」の拡大(4)大人も子どもも楽しめる安心で魅力的な『日本型IR』を創り上げる―など、多岐にわたる政策を盛り込んでいる。
首相は26日の会見でも観光について触れ、「昨年、日本を訪れる外国人観光客は政権交代前の4倍以上、3千万人を超えた。全国津々浦々での消費額は4兆5千億円。地方に生まれた観光という一大産業にさらに投資する」と述べた。
公明党は「2019政策集」で、「観光先進国の実現」を掲げている。(1)日本人による国内観光振興とともに、訪日客増加による交流人口の拡大(2)主要観光地における100%のキャッシュレス決済対応の推進(3)20年4月から実施される免税販売手続きの電子化の円滑な実施(4)日本版DMOの形成・育成のための支援―など、こちらも盛りだくさんだ。
立憲民主党は6月24日、公約「立憲ビジョン2019」を発表したが、観光に特化した項目は見当たらない。
観光立国、先進国へアクセルを踏み続けなければならない。訪日客の増加につながる施策はもちろん、日本人が日本国内を旅行する需要喚起策や環境整備もまた欠かせない。やるべきことはたくさんある。
日本の観光を盛り上げるのはどこの政党か。観光で生計を立てている人はそこのところも考えてほしいものだ。
参院は3年ごとに半数が改選されるが、昨年7月の公職選挙法改正で定数が6増えており、今回の改選議席は3議席増の124議席(選挙区74、比例区50)となる。
観光立国実現の鍵を握る訪日客(高山で)