【観国之光 358】感染急拡大 コロナとの共生覚悟を 本社論説委員 内井高弘


自粛要請で人が少ない今、旅館や温泉を堪能できるチャンスなのだが(写真と本文は関係ありません)

 2021年9月30日、19都道府県に発令中の「緊急事態宣言」と8県の「まん延防止等重点措置」が解除された。宣言も重点措置も出されていない状況は同年4月以来、約半年ぶりで、年末年始を前に観光業界はにわかに活気を帯びた。

 年も改まり、「今年は観光再生の年に」と意気込んだ矢先、新型コロナウイルス感染が急速に拡大した。1月23日現在の全国の感染者は2日連続で5万人を超え、神奈川県や千葉県など九つの県では過去最多となったという。

 「感染者数の増加や重点措置適用といった言葉などに消費者は敏感に反応、キャンセル連絡が相次ぐ」と旅館関係者は頭を抱える。コロナを恐れる気持ちは分からないでもないが、過剰反応しすぎではという思いもする。正しく恐れることが重要では。

 ある温泉地の旅館経営者は「感染対策は徹底してやっている。空いている今こそ泊まりに来てほしい。旅館、温泉の良さを堪能できる絶好の機会。心を込めてもてなすのだが」と苦笑交じりに語る。

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