電動キックボードや電動アシスト付き自転車など、観光客の行動範囲を広げる移動機器が観光地などで普及しつつある。一方で、これら機器に絡む交通事故も皆無とはいえず、利用に二の足を踏む人もいる。
そんな中、小型電気自動車「グリーンスローモビリティ」、いわゆるグリスロが注目を浴びている。すでに周遊観光の足として活用されているケースもあり、今後、存在感を増しそうだ。
グリスロは、時速20キロ未満で公道を走ることができる電気自動車などを指す。国土交通省も普及に努めている。
電気を使うため環境にやさしく、スピードもゆっくりしているので安全性が高い。小型で狭い道でも走行できる―などが特徴で、観光や地域住民の暮らしに役立てようと試みる自治体も少なくない。
東京都豊島区では、2019年11月から池袋駅周辺で22人乗りの「IKEBUS(イケバス)」の運行を開始。真っ赤な車体が印象的で、デザインはJR九州の「ななつ星in九州」などを手掛けた水戸岡鋭治さんが担当した。
貸し切り運行もしており、「区内スポットを巡る企画旅行や子供の誕生日、友人の結婚式などさまざまな利用が可能」と区役所。災害時には移動式電源として、バッテリーに蓄電した電気をスマホ約2500台の充電や非常用照明などへ活用することができるという。
運賃は新型コロナの影響を踏まえ、来年1月31日まで1回に付き100円、1日乗車券は250円となっているが、2月1日以降は通常運賃に戻し、大人の場合、1回200円、1日500円となる。
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