【観国之光 447】外国人向け価格 強気の設定もほどほどに 観光経済新聞 論説委員 内井高弘


 訪日外国人旅行者が増えている。驚くのは消費意欲が極めて高いことだ。2013年の旅行者数は2506万人で、新型コロナ禍前(19年)の8割にとどまったものの、旅行消費額は5兆2923億円で過去最高となった。買い物よりも宿泊や飲食、アクティビティなど体験重視の消費に関心が高いとされる。

 2月1日、東京の豊洲市場隣に新たな観光名所「豊洲千客万来」がオープンした。施設は江戸の街並みをイメージした商業棟「豊洲場外 江戸前市場」と温浴棟「東京豊洲 万葉倶楽部」の二つで、運営する万葉倶楽部は年間来場者260万人を見込んでいる。

 江戸前市場には60を超える飲食店があり、ここで提供される食事料金が話題となっている。例えば、本マグロ丼の値段は6980円。築地にあるウニ専門店の海鮮丼は、北海道産の厳選された6種類のウニをふんだんに使っており、その値段は何と1万500円。

 高額な丼を食べていた外国人はテレビの取材に対し「魚はとても新鮮だし、(自国では)この値段では食べられない。せっかく日本に来たのだから」とあまり気にしていない様子。SNS上では「インバウン丼」なる言葉まで登場している。

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