【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 420】成果が上がるベスト施策3 青木康弘


 前回に引き続き、売り上げや利益、顧客満足度アップに大きな効果が得られたベスト施策を紹介しよう。

3、客室を部分的にリニューアルする

 資金繰りが厳しく、数億円単位のリニューアル予算を確保できない場合には、部分的な客室リニューアルを検討すると良い。ただし、無計画に設計事務所に丸投げしてはいけない。リニューアルによって狙う顧客ターゲット層、想定料金、競合他館と比べた優位性、販売手段、ブランディング手法を具体化することが前提となる。

4、営業所の活動管理を行う

 営業所を設置しているものの、営業マンの行動実態がつかめなかったり、成果が上がっているか分からないという課題がある場合には、組織的な営業活動が行えるよう工夫すると良い。具体的には、営業日報のフォーマット・報告形式の見直し、行動目標・実績の数値管理、インセンティブ制度の見直しなどを行うと成果が上がりやすい。

5、業務棚卸しにより営業活動時間をアップする

 営業マンがフロントやドライバー、内務を兼任することで、営業活動に割ける時間が少なくなるという悩みを抱える旅館・ホテルは多い。課題を解決するには、営業マン一人一人の仕事調べを行い、業務内容を棚卸しすると良い。

 1週間のスケジュールを詳細に調査し、どのような仕事に何分時間を割いているか把握するのである。必要以上の時間をかけているのであれば作業時間に目標を設けると良い。パート・アルバイトでもできるような仕事であれば移管すると良い。他部署のヘルプを行っている場合には、営業活動よりも重要な業務なのか比較検討すると良い。

6、別注飲料の販売を強化する

 夕食会場や宴会場における飲料セールスは旅館・ホテルの取り組み努力の差が出やすい。メニュー名と価格を並べてラミネート加工したもので済ませている館もあれば、地元名産のお酒の由来や製法などを魅力的にまとめたブックレットをお客さまへお渡ししている館もある。

 メニューの構成やメニューブックのデザイン、ホールスタッフの声かけの改善によって、劇的に売り上げを増やすことが可能である。

(アルファコンサルティング代表取締役)

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第38回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2024年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月13日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒