【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 422】成果が上がるベスト施策5 青木康弘


 前回に引き続き、売り上げや利益、顧客満足度アップに大きな効果が得られたベスト施策を紹介しよう。

 10、体験型プランを企画・販売する

 館内や周辺観光地に強力な集客源がなければ、体験型プランを立案することをお勧めする。近隣の観光施設や陶芸家、工芸家、職人、料理人とのタイアップ、または自社スタッフ主導による企画を検討すると良い。

 タイアップ先の施設に送客して手数料をもらうよりも、自館にアクティビティ用のブースを作りインストラクターに来てもらったほうが売り上げ利益アップの効果は高いだろう。

 11、定期的な客室インスペクションを行う

 客室清掃を委託業者に任せっぱなしにしておくと、清掃スタッフが過剰に派遣され経費がかさむばかりだけでなく、清掃不備による顧客クレームが発生しやすい。客室点検(インスペクション)は自社スタッフで実施した方が良いだろう。

 クレームが発生したときだけ対症療法的に対応するのではなく、チェックシートを作成し抜き打ち検査を行い、業者に対して日ごろから改善指導を行う体制を作りたい。

 12、ラウンジでチェックインする

 お客さまと最初の接点となる、お出迎えやフロント応対は宿泊全体の顧客満足度に大きな影響を与える。一般的なビジネスホテルのようなカウンター対面形式ではなく、ラウンジ内のテーブルに案内して着席しながらチェックイン手続きを行うと口コミ評価を高めやすい。

 フロントスタッフから面倒だと反対意見が出るかもしれないが、もし単価が比較的高い個人客をターゲットとした旅館・ホテルであればぜひ実施することをお勧めする。

 13、部署別適正人数を把握する

 人件費やスタッフ数は他の旅館・ホテル並みかそれ以上なのに、スタッフから人手不足について不満の声が聞こえるのであれば、部署別の適正人数を把握することをお勧めする。

 スタッフ一人一人の業務内容と所要時間、持ち場が分かるタイムテーブル表を作成し、部署ごと時間帯ごとに繁閑の度合いを把握するのである。忙しいと不満の出る時間帯は一瞬で、それ以外の時間帯は過剰な人員を抱えていることが分かるだろう。

(アルファコンサルティング代表取締役)

 
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