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前回に引き続き、旅館・ホテルの人手不足解消法について紹介しよう。新規有効求人倍率が常に5倍を超えている現在の状況下でも、人材確保に成功している会社は少なからずある。今までのやり方にとらわれずに取り組んでみよう。
9、キャリアステップを明示する
将来の幹部スタッフを確保するために、大卒新卒採用を始めたものの、数年でほとんど離職してしまったという悩みを持つ旅館・ホテルは少なくない。向上心の高いスタッフに長く働いてもらうためには、キャリアが頭打ちにならないような仕組みづくりが大切だ。スタッフの定着率が改善すれば人手不足の問題を解消することができる。
例えば、職位ごとの在職期間の目安を示すと良いだろう。一般職3年、主任職5年、管理職3年、上級管理職2年といったように具体的な年数を明示するのだ。企業の規模や成長スピードによって用意できる役職の数が異なるので、理屈通りにはならないこともあるが、将来のキャリアに関心をもってもらうことで、定着率向上につなげることができるだろう。
10、ブラザー・シスター制度を導入する
入社初日から先輩スタッフが自館の働き方や仕事内容をOJT形式で教える制度のことである。社会人生活の過ごし方や職場の人間関係などの相談も聞くことになるので、心理的なつながりが深まり離職防止にもつながる。ブラザー、シスターとして選任するのは、面倒見がよく前向きな性格のスタッフが良いだろう。社内の不平不満やとりとめのないことを後輩に話すようなスタッフを指導係としてつけると逆効果なので注意したい。
11、キャリアアクション制度を導入する
優秀なスタッフは現場仕事を1年も経験すると一通りのことを覚えてしまう。そのまま単調な仕事を与え続けるとマンネリ化して退職してしまうことがある。向上心を満たせる仕事に切り替えて定着率を高め、人手不足を解消しよう。
例えば、他部署への異動希望や社内公募を出せる制度(キャリアアクション制度)を導入すると良い。本人のやる気とスキルによって料飲サービスから本社マーケティング部門へ異動させても良い。スタッフの考えや潜在的なスキルを知る良い機会にもなるだろう。
(アルファコンサルティング代表取締役)