前回に引き続き、新型肺炎に打ち勝ち、終息後にさらなる発展を遂げるためのステップを紹介しよう。新型肺炎の流行により観光業は大きな打撃を受けているが、こういう時だからこそ意気消沈することなく、経営改善に向けた取り組みを着実に実行していきたい。流行はいずれ終息する。良いスタートダッシュが切れるよう前向きに準備したい。
4、顧客ターゲットの見直し
新型肺炎の風評について敏感な客層とそうでない客層がある。新型肺炎の終息見通しがたったら、風評にあまり敏感ではない層からターゲットにしていくことをお勧めする。例えば、1人旅、若い女性グループ、アウトドア志向の客、ゴルフ客、若いファミリー、カップル、学生グループである。
この客層は、新型肺炎が流行している中でも旅行する人が比較的多い。終息のめどが立てば、戻りは早いだろう。
一方で、老人会やスポーツ団体、一般団体、インバウンド、宴会団体は、終息してもしばらくは低迷が続くだろう。参加者の1人でも反対意見があれば催行されず、またビザ発給再開から予約、宿泊、売り上げ計上までリードタイムも長いからだ。
宿泊プランは、素泊まりや1泊朝食、長期滞在プランが販売しやすい。不特定多数の宿泊客との接触が想定される食事会場利用を前提としたプランは敬遠される傾向にあるからだ。そのほか、学生旅行向けプランや屋外アクティビティを付帯したプラン、貸し切り露天風呂付きプラン、IT系企業の開発合宿・チーム合宿プランなどが販売しやすいだろう。
ターゲットとする商圏は近隣を中心に狭い方が良い。公共交通機関を避けて自家用車で行ける観光地や施設が好まれている傾向にあるからだ。近場の顧客を狙った方が効果的な集客をしやすい。
広告を広範囲にわたって出稿しても費用対効果を得るのは難しいだろう。離島に立地する施設を除き、近隣商圏をターゲットとした宿泊プランづくりをお勧めする。
(アルファコンサルティング代表取締役)