【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 565】すぐ取り組める補助金獲得法11 アルファコンサルティング代表取締役 青木康弘


青木氏

 前回に引き続き、初めて取り組む方でも分かりやすいように補助金申請のコツを紹介したい。事業再構築補助金や観光庁の補助金をはじめとして、旅館・ホテル、観光事業者が申し込めるものが相次いで公表されている。助成額が数百万円から数千万円と高額なものが多いので、ぜひ獲得し、アフターコロナにおける業績改善のきっかけとしたい。

 17、補助金申請資料を他の補助金に再活用する

 事業再構築補助金を申請するために収集した資料や作成した計画、元データ等は他の補助金申請にも活用することができる。特に、補助金申請がGビズIDに統合されるようになってからは、持続化補助金、ものづくり補助金も事業再構築補助金と非常に似通ったものになってきている。せっかく作成したものを利用しないのはもったいない。さまざまな補助金申請に再活用しよう。

 最も取り組みやすいのが、持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>である。作成する計画は最大5ページ以内なので数日あれば資料準備できるだろう。主な記載内容は、自社の事業概要、新型コロナウイルスの影響と取り組んでいる施策、補助事業名、補助事業の内容(取り組み内容や実施体制、スケジュール)、補助事業の効果である。事業再構築補助金で求められる項目に非常に似通っていることが分かる。

 従来は広告宣伝費として利用されることが多かったが、今回は大部屋を個室にするための間仕切り設置費用等も対象となっている。低予算で簡易的な設備投資をしたい施設に向いているだろう。

 少し難易度は上がるがチャレンジをおすすめしたいのが、ものづくり補助金<低感染リスク型ビジネス枠>である。ものづくり補助金という名称となっているが、旅館・ホテルをはじめとするサービス業も対象である。

 革新的な製品・サービス開発に上限1千万円(補助率3分の2)支援してくれる。申請できる事業の要件は、物理的な対人接触を減らすことにつながる革新的な製品・サービスの開発、物理的な対人接触を減らす製品・システム導入による生産プロセス・サービス提供方法の改善、ウイズコロナ・ポストコロナに対応したビジネスモデルへの抜本的な転換に関する設備・システム投資(自動精算機は対象外)である。

 事業再構築補助金と補助対象事業が重複していることが分かる。旅館・ホテル業であれば、厨房の改造や厨房機器の導入等をテーマにすると計画書が書きやすくなるだろう。

 (アルファコンサルティング代表取締役)

 
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