前回に引き続き、休館中でも取り組める施策を紹介したい。新型コロナの再燃により、ゴールデンウイーク明けから休館を余儀なくされている施設は少なくない。いつ終息するのかと気をもむ日々を過ごすのは辛いものである。今のうちからアフターコロナに向けた準備を進めておきたい。
5、運営方法、顧客ターゲットを大きく変える
これまでの運営方法に不満を持っているならば、長引く休館は抜本的に変更する絶好のチャンスとなる。過去のやり方にとらわれることなく、新たな基準作りを目指そう。一部スタッフの反対により取り組むことができなかった施策であっても、休館により組織体制が変われば進めやすくなる。
過去の顧客ターゲットが意に沿わないものならば、思い切って変更しても良い。新型コロナの終息見通しが立っても、流行前の方針に全て戻す必要はない。消費者の嗜好は大きく変わっている。新たな施設を作るつもりで再オープンの準備を進めることをお勧めする。
6、観光モデルコースを見直す
新型コロナ流行によって、観光施設の好みも大きく変化した。屋内型レジャー施設が敬遠される一方で、ふれあい牧場や釣り、アスレチック、川下り、屋外体験施設、屋外学習施設、アウトドア施設、自然景勝地などが人気を集めている。
当然のことながら、このような観光施設に近かったり、コンセプトや顧客ターゲットが類似したりしている旅館・ホテルが今後は集客の面で有利になる。
皆さまの施設を宿泊地とした観光モデルコースを今一度確認してほしい。旅行代理店が設定している旅程表で代用しても構わない。アフターコロナにおける消費者嗜好に合ったものになっているだろうか。もし、懸念点があれば別の観光モデルコースを立案することをお勧めする。
6月後半に自粛要請が解除されたら、施設が所在する近隣の観光地を視察して集客力や顧客層をチェックすることをお勧めする。コロナ禍でも人気を集めている観光施設が、今後の観光モデルコースや顧客ターゲット、マーケティング方法を決定するヒントとなるだろう。
(アルファコンサルティング代表取締役)