前回に引き続き、第1回通常枠の採択率100%だった弊社の事業計画作成ノウハウを生かして、採択率の高い計画書を作るコツを紹介しよう。紹介する項目の順番に沿って作成すれば完成するのでぜひチャレンジしてほしい。
3、事業環境
業界を取り巻く市場環境を簡潔に説明しよう。はじめに市場規模に言及すると文章をまとめやすいだろう。市場規模のデータは、調査会社や観光庁ホームページ(HP)で公表している。エクセルなどのアプリでグラフ化して貼り付けると良い。全国データに加えて、皆さまの施設が所在する都道府県や市町村の市場データを掲載すると説得力が高まる。観光庁HPで公表されている宿泊旅行統計調査や自治体HPの観光統計に地域の入込客数などのデータが掲載されているので時系列に整理してコメントしよう。
消費者の嗜好変化も図表を使って説明しよう。コロナ禍における消費者の嗜好変化についてさまざまな調査会社がアンケートを行っているので、元となるデータは容易に収集することができる。事業再構築によって取り組む事業を説明する伏線になるよう文章をまとめると良いだろう。
4、事業再構築の必要性
コロナ禍により足元の業況が大変厳しいこと、また短期的な業績回復が困難であることを説明しよう。新型コロナが流行する前の2019年からの自社の月次業績推移(売り上げ、客数)をグラフ化して説明すると良い。
特定の部門の落ち込みが激しい場合には、部門別売り上げの推移を示すと説明しやすい。団体客など特定の顧客層の落ち込みが激しい場合には、顧客層別や送客チャネル別の売り上げを示すと良い。
施設の老朽化を課題とする場合には、老朽化した部分を撮影して事業計画書に貼り付けると良い。文章のみの場合と比べて説得力が増すだろう。
文章と図表の分量バランスは1対1から1対2程度を目安にすると良い。全体の半分以上をグラフや表、写真で埋めて問題ない。視覚に訴える分かりやすい資料作りを心がけたい。
(アルファコンサルティング代表取締役)