【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 576】事業再構築補助金の計画書4 青木康弘


青木氏

 前回に引き続き、第1回通常枠の採択率100%だった弊社の事業計画作成ノウハウを生かして、採択率の高い計画書を作るコツを紹介しよう。紹介する項目の順番に沿って作成すれば完成するのでぜひチャレンジしてほしい。

 7、補助事業を行うことによる他社・既存事業との差別化

 補助事業として取り組むビジネスについて、方法や仕組みを簡潔にまとめよう。取り組むビジネスの有効性について、審査委員に文章で要領よく伝えるのは難しい。皆さまが有望なビジネスだと熱量を持って書いても、その思いが伝わるとは限らない。むしろ、実現可能性について厳しくチェックされる可能性が高い。第三者から抜け漏れを指摘されないようフレームワークを使って説明すると良いだろう。

 事業内容を説明するフレームワークとしてお薦めなのがビジネスモデルキャンバスである。テンプレートはインターネット検索で簡単に見つけることができるので、興味のある方は調べてみてほしい。

 記載項目は、ターゲット顧客(CS)、提供価値(VP)、チャネル・販路(CH)、顧客との関係(CR)、収益の流れ(RS)、主要な資源(KR)、主要な活動(KA)、主要パートナー(KP)、コスト構造(CS)の9項目からなる。このフレームワークに従って入力していけば、補助事業の内容を第三者に要領よく説明することができる。

 補助事業について説明する際には、既存事業との代替性がないこと、既存事業とのシナジー効果が期待できること、既存事業の経営資源や遊休資産を活用することにより他社よりも高品質、低コストでできることを言及しておきたい。審査対象となる項目は、審査委員の目に止まりやすいよう分かりやすく記述することをお勧めする。

 8、実施体制

 補助事業を推進するメンバーを組織図の形式でまとめよう。社長直下にプロジェクトチームを結成し、担当メンバーは役割と名前を明記すると良い。補助事業に関係する経験やスキルがあれば、書いておいた方が審査にプラスになるだろう。事業立ち上げに際して、外部専門家や関係機関、協力会社と連携する予定があれば、審査にプラスになるので、図表に追記しておこう。

(アルファコンサルティング代表取締役)

 
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