【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 582】事業再構築補助金の計画書10 青木康弘


青木氏

 前回に引き続き、通常枠の採択率100%だった弊社の事業計画作成ノウハウを生かして、採択率の高い計画書を作るコツを紹介しよう。紹介する項目の順番に沿って作成すれば完成するのでぜひチャレンジしてほしい。

 19、実施体制

 開業後の運営体制について組織図の形式でまとめよう。既存の組織図に新たな部門やスタッフを組み込むと作りやすいだろう。

 例えば、既存部門である客室、フロント、調理、総務に並列する形で、新規事業の統括事業部を設置するというやり方が考えられる。運営責任者、チーフなどの肩書と氏名を記載すれば具体性が高くなるだろう。

 新規採用を予定している場合には、採用したスタッフを組織図のどこに配置するか具体化することをお勧めする。

 開業後のバックアップ体制も欠かせない。事業推進に協力してくれる関連団体、取引先企業、各種専門家の名称を記載しておけば、事業計画の実効性が高いと判断してもらえるだろう。

 20、スケジュール

 基本構想の着手から営業開始までのスケジュールを記載しよう。ガントチャートと呼ばれる、プロジェクトの工程管理に利用される表を参考に作成すれば良い。ウェブ検索すれば多くの事例が出てくるので参考にしてほしい。

 今回の補助事業における典型的な取り組み項目は、ビジネスプラン策定、資金調達、設計、施工、開業準備、開業である。ビジネスプラン策定は、市場調査、基本コンセプトの策定、施設ボリュームの検討、事業スキームの策定、総合予算の検証、事業収支の検証、ビジネスモデルの詳細検討に分解することができる。それぞれの項目ごとに何月から何月まで取り組むか明確にして表に落とし込むと良い。

 本事業の実施期間は、交付決定日から12カ月以内、採択発表日から14カ月後の日までと定められている。採択結果が発表されると思われる月から、おおむね12カ月以内に営業開始できるように作成すれば問題ない。

 (アルファコンサルティング代表取締役)

 
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