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青木氏
前回に引き続き、新型コロナ対策による弊害と対策について説明したい。旅館・ホテルではガイドラインにそってさまざまな対策を行い、時短や休業に取り組んできた。しかし、夏休みを控え、稼働率が上昇傾向にある現在では、クレーム発生、口コミ評価低下につながるリスクにもなっている。今一度体制を立て直し、取り組んでいきたい。
沖縄や離島中心にレンタカー不足が再び深刻化の兆しを見せている。もともと公共交通機関が整備されていないことに加え、急激に観光客が増えたことでオーバーツーリズムによる交通公害を引き起こしている。新型コロナの流行でいったんは鎮静したが、つい先日の連休もコンパクトカー1日の料金が離島で2万円を超えるという価格高騰が発生した。運転の手間を考えれば、貸し切りタクシーの方が安いくらいの料金である。新型コロナをきっかけとしたタクシー乗務員の相次ぐ退職も実車率改善を阻み、レンタカーの価格高騰を引き起こす原因となっている。
このような傾向は、他の地域でも同様に発生すると考えられる。新型コロナ流行により、他のお客さまと同乗する交通機関を敬遠する動きがあるからだ。都市部に近い自家用車で行ける一部地域を除いて、レンタカーやタクシーの需要は今後高まっていくだろう。
交通の便の悪い旅館・ホテルは早期に対策を講じておいた方が良い。具体的には、タクシーやレンタカー事業者との提携、プラン化、観光タクシーのあっせん、シャトルバスの運行、敷地内駐車場におけるカーシェアリングの導入などである。特に電車や路線バスが減便、地域のタクシー運転手数が減少する地域にある施設は早めに対策を講じたい。いくら万全の運営体制をとっても、お客さまが自施設や周囲の観光スポットに行く手段が限られていれば、稼働率を上げることは困難だからだ。
(アルファコンサルティング代表取締役)