
前回に引き続き、「ChatGPT」などのAI活用法を紹介したい。無料もしくは低価格で利用可能であり、人間と会話をするように日本語で文字を入力すれば的確な回答が得られる。コンピューターに詳しくない人でも利用しやすく、施設運営を劇的に効率化する可能性を秘めている。ぜひ施設運営に生かしてみてほしい。
(5)さまざまなターゲット向けの旅程表の作成
AIを活用すれば、旅程表を簡単に作成することができる。旅行代理店への提案だけでなく、国内外の観光客を対象に自社サイトに掲載する、あるいはSNSで発信するのも良いだろう。皆さまの旅館・ホテルを宿泊地として、著名な観光地、アクティビティ、グルメを盛り込んだ旅のプランを提案しよう。
作成方法は簡単だ。例えば、入力欄に「富裕層の中国人が8月に家族6人で日本に2週間の旅行に行きます。おすすめの旅程を提案してください。【出発地と訪問したいエリア】を周遊します。○県では、【皆さまの施設がある温泉地】に宿泊します。日本の自然やアクティビティ、グルメを楽しみたいと思います。旅程は表形式にまとめて、それぞれの観光スポットやアクティビティ、所要時間、宿泊する都市名が分かるようにしてください。旅程は都道府県が連続するようにしてください」と入力してみよう。AIが見事な旅程表を表形式で作成してくれる。エクセル等で編集すれば、webサイトや提案資料に活用できるだろう。
ターゲット層ごとに旅程表の変更も簡単だ。先ほどの「中国人」という表記を「アメリカ人」に変更してみると、AIはアメリカ人の文化や好みを考慮した旅程表を提案してくれる。日本人になじみのない国籍であっても、その文化や好みに合った旅程表を提案してくれる。さらに、入力欄に「中国人とアメリカ人への旅程表の提案内容の違いを説明してください」と入力すると、観光スポットや食事、アクティビティ、交通手段、スケジュールについて、国籍ごとの文化や好みを説明してくれる。ぜひ皆さまの施設でも、この優れた機能を活用してみてほしい。
(アルファコンサルティング代表取締役)