【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 716】民間主導の観光まちづくり(3) 青木康弘


 前回に引き続き、観光まちづくりを推進していくために、民間の宿泊事業者がどのように取り組むべきかを説明しよう。観光コンテンツ作りには地域内の協力体制が不可欠だが、地域住民と行政、民間の関係性がうまくいっておらず、観光コンテンツ作りに苦戦している地域は少なくない。

 民間主導の観光まちづくりを成功させるためには、組織体制や座組みの構築が極めて重要である。地域の観光資源を最大限に活用し、持続可能な発展を遂げるためには、自治体、DMO、地元住民など、多様なステークホルダーと円滑に連携し、共通の目標に向かって効率的に取り組むための主体となる組織が必要である。この主体は任意団体よりも法人の方が良い。法人格を持つことで、法的な安定性や信頼性が増し、資金調達や取引がスムーズに行えるからである。また、法人は組織体制と役割責任を明確にすることができ、業務の効率化につながる。

 法人格として候補となりうるのは、組合、NPO法人、一般社団法人、株式会社である。それぞれの法人にはメリット、デメリットがあるため、比較検討した上で最も有利な事業主体を基盤として観光まちづくりに取り組む必要がある。

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