前回に引き続き、人材や資金に限りのある中小旅館・ホテルでも取り組める、集客イベント企画の進め方を紹介しよう。地域のイベント・催事だけに頼るのではなく、自力で集客イベントを企画できるようになり、閑散期でも売り上げを安定的に確保できる館を目指そう。
6、困った時に活用できる便利ツールを知っておく
イベント企画の経験がない旅館・ホテルにとって、企画立案や準備は分からないことの連続である。特に周辺でイベント開催の少ない地域に立地している館は、相談する相手もなく苦労することが多い。そこで、困った時に役立つ便利ツールを紹介しよう。
・アイデア募集ツール「ミルトーク」(https://milltalk.jp)
インターネット上でさまざまな消費者調査を行うことができるツールである。回答者はあらかじめ登録されているので、皆さまの旅館・ホテルは知りたいことを掲示板に書き込みすれば良い。イベント企画関連で利用するならば、次のようなタイトルのアンケートを実施すると良いだろう。
「旅館で楽しめるイベントアイデア募集!」「20~30代女性に今人気のイベントは何ですか?」「冬のイベントでもらうとうれしいグッズは何ですか?」「お正月に旅館・ホテルで食べたい料理は何ですか?」「桜の時期に旅館でやってくれるとうれしいイベントは何ですか?」などである。
地域名(観光地名)で限定するとより有益な回答が得られるだろう。早ければ1日たらずで100件の回答を集めることができる。料金は閲覧30件まで無料(有料オプションあり)なので、とりあえず無料で使ってみることも可能だ。
・クラウドソーシング「クラウドワークス」(https://crowdworks.jp)
イベント告知をするためにはチラシ作成が必要となるが、地元に適当な業者がいない場合は、クラウドソーシングを活用するのも有効な一手段だ。1万円の予算があれば20件程度のデザイン案を募集することも可能である。気に入ったデザイナーがいれば継続的に発注すると良い。逆に気に入らない場合は断るのも簡単だ。
ご紹介したサイト以外にもさまざまな外注サービスがあるので、皆さまの旅館・ホテルで気に入ったものを選択すると良いだろう。
(山田ビジネスコンサルティング事業企画部部長)